読み方 ソウ
層状に重なった状態,あるいは個別の機能の一つ一つを表す.
OSIの7層モデルのように,一つのシステムを役割ごと各層にわけることによって,システムの改良や他のシステムとのインタフェースが容易になる.
また,コンピュータでは,その系をユーザが使用できる層と,ハードウェアと密接な関係があるシステムの層とに分けて管理している.これによって,ユーザがシステムに対して無理な要求を出したときでもシステムが破壊されることなく安定した処理を行うことができる.
ネットワークアーキテクチャにおいて,概念的に完結した,サービス,機能及びプロトコルのグループ.このグループは,階層的に並べられたグループの集合の一つであり,そのネットワークアーキテクチャに適合するすべてのシステムに横断的に適用される.
開放型システム間相互接続参照モデルにおいて,概念的に完結したサービス,機能及びプロトコルのグループ.このグループは,階層的に配置された7グループのうちの一つであって,すべての開放型システムに共通に適用される.
〈備考〉1)各層の名前(例えば,応用層の“応用")は,その層のエンティティ,サービス,プロトコル,機能などの側面を示すためにも使用してよい.2)特定の層及びその隣接層を,層名を使わずに次のように区別して呼んでもよい.
コンピュータのための通信ネットワークは,多かれ少なかれ,各々の異なった層(レベルとも呼ばれる.)における独立したプロトコルの集合にとして構成されてよい.最下位の層は,異なるホストにおけるハードウエア間の直接のホスト対ホストの通信を管理する.最上位の層は,利用者応用から構成される.各々の層は,その下位の層の上に構成される.各々の層に対して,異なるホストにおけるプログラムは,相互に通信するためにその層に適切なプロトコルを使用する.プロトコルに関して,OSIは七つの層をもつが,TCP/IPは五つの層をもつ.複数のプロトコが異なる層からなる利点は,ある層から他の層へと情報を渡す方法が,プロトコルスイートの一部として明確に指定されること,及びあるプロトコル層内の変化が,他の層に影響することを防げることにある.このことによって,通信プログラムの設計及び維持管理の作業が大幅に簡略化される."2.357 Open Systems Interconnection(OSI)"及び"2.454 TCP/IP Protocol Suite"も参照すること