weblio英単語帳

今年の英単語 2018

me too me too
日本最大級のオンライン英和辞典「Weblio英和・和英辞典」が、
年間アクセスデータをもとに選出する「Weblio今年の英単語」
2018年は「me too」に決定いたしました。

「Weblio今年の英単語」は、「Weblio英和・和英辞典」の年間の利用状況(ログ)に基づき、その年に最も注目された英単語・英語表現を選出する企画です。
検索語の「年間の総検索数」と「検索数の急上昇(スパイク)率」を主な指標とし、世間的に話題になった状況なども加味しつつ、今年を象徴するといえる英語表現をひとつ選定しました。
候補に挙ったキーワード9語もノミネート語として紹介いたします。

  • 調査対象メディア :「Weblio英和・和英辞典」 ( ejje.weblio.jp )
  • 調査方法:調査対象メディアのアクセスログ解析による
  • 調査期間:2018年1月~11月

今年の英単語2018

me too(私も)

me too me too

Weblio今年の英単語は「me too」もしくは「#MeToo」です。セクシャルハラスメント被害を告発するムーブメントとしてアメリカで広がり、その勢いは日本にも届きました。「Weblio英和・和英辞典」では、2018年4月半ばに「me too」の検索回数が急上昇しています。話題性もWeblioでのスパイク度合いも十分な、満場一致の選出です。

「me too」は直訳すれば「私もまた同様」という意味合いの言い回しであり、一種の成句表現です。「Me, too.」だけで「私もそうなんですよ」という意味のフレーズとして用いられます。
Twitter上では「#MeToo」の表記でハッシュタグとして用いられていました。
”今年の英単語”という意味では「#MeToo」表記の方が相応しそうです。

「me too」月別検索数グラフ 1日あたりの最高検索数は4月20日の1268。年間検索数は69219。

#MeTooは、2017年10月に、アメリカの女優アリッサ・ミラノ(Alyssa Milano)がセクハラを告発する方法として提案したことを機に爆発的な広まりを見せました。性的な被害に遭った女性にとって自らの被害体験を詳しく語るのは辛く、難しいことですが、Twitterで「私も(似たような経験をした)」とリプライするだけなら敷居はぐっと低くなります。一個人が気軽に情報を発信できるソーシャルメディアの存在も欠かせない要素です。

「#MeToo」ハッシュタグは2017年10月のツイートを発端として一挙に広がり、2018年に入ってからもセクハラ問題の潮流として勢いを増します。2018年1月にはゴールデングローブ賞の授賞式に出席した女性陣が黒い衣裳で参加し、4月には「#MeToo」の端緒といえる記事を報じた新聞記者がピューリッツァー賞を受賞しています。

海外の動向にシンクロするかのように、日本でも2017年後半から、女性ジャーナリストによる性的被害告発などの話題がメディアを賑わし、セクハラ問題が世間の関心事として浮上しています。 この件をめぐっては2018年に英国BBCで「Japan’s Secret Shame」(日本の秘められた恥)と題するドキュメンタリー番組が放送されるなどの波紋を呼んでいます。

2018年4月には、財務事務次官のセクハラ疑惑に抗議を示すため野党議員が集結し「#Me Too」などと書かれたプラカードを掲げました。ネット上では「#Me Too」はハッシュタグとしては機能しないぞと総ツッコミ状態だったことも記憶に新しいところです。※
※通常ハッシュタグは、スペースを挟まない一続きの言葉でのみ機能するため

2018年半ば以降、「#MeToo」ムーブメントの推進役を担っていた女性の中にも過去に男性に対しセクハラをしていた(加害者側だった)人物がいたことが発覚したこともあり、セクハラ告発キャンペーンは少し勢いを落としたかのようにも見えます。

セクハラ・性的被害の問題は非常にセンシティブで見極めの難しい問題です。
一朝一夕になくなる問題ではなく、長期的な意識改革を必要とするでしょう。
その意識改革の流れに一石を投じた「#MeToo」の意義は大きいでしょう。
日本人から見ても非常に簡単な表現であるはずの「me too」が今年おおいに検索されたのは、単に意味を調べる以上の意義があったのかもしれません。

今年の英単語2018にノミネートされた9語

Virtual

Virtual

今年前半は「バーチャルYouTuber」(VTuber)の人気の高まりと連動して「virtual」の検索量もじわじわと上昇。
短期間の急上昇は見られませんでしたが、上半期は例年以上のアクセス数を維持していました。
バーチャルYouTuberという存在は去年すでに注目されていたたものの、今年は複数の大手企業が参入したことで一挙に話題に。

Virtual

Harassment

Harassment

今年はセクハラとパワハラの問題が注目を集めました。
4月にはセクハラ発言問題で財務省元事務次官が辞任を表明、このとき野党が「# Me Too」プラカードを掲げました。
日本のスポーツ界では女子レスリングやアメリカンフットボールを中心に各所でパワハラ問題が露呈。
なおパワハラ(パワーハラスメント)は和製英語です。

Harassment

Awesome

Awesome

「awesome」は年中よく検索されますが、特に今年は2度の検索数急上昇を見せました。
まずは2月14日、おそらく歌手デビューしたRYUCHELLの曲名に含まれていたため。
2度目は6月30日、おそらくサッカーW杯を機に流行した「大迫半端ない」の英語訳として。「大迫半端ない」のフレーズは海外メディアにも注目され、「awesome」「hampanai」と紹介されています。

Awesome

Eclipse

Eclipse

2018年1月の皆既月食を目前にして「eclipse」の語が急上昇しました。
eclipse は日食や月食の「食」を指す語です。
この皆既月食は月が青みがかる「ブルームーン」を併発する珍しい天体ショーでもありました。
ブルームーンにちなんで「once in a blue moon」(めったにない機会)という成句も多く検索されています。

Eclipse

Disaster

Disaster

今年は自然災害が例年以上に厳しかった年でした。台風は強い勢力を保ったまま日本を直撃。
地震は6月に大阪、9月に北海道で、マグニチュード6を超える大規模な地震が発生し、いずれも犠牲者が生じる事態に。
「disaster」は「災害」という意味の単語で、9月6日に北海道胆振東部地震が起きた日に特に急上昇しています。

Disaster

Fury

Fury

アメリカで、現職の大統領ドナルド・トランプ政権の暴露本「Fire and Fury」(邦題:炎と怒り トランプ政権の内幕)が発売。
トランプ大統領が出版の差し止めを要求したこともあり、発売前から話題が沸騰し、もともと1月9日に発売予定だったものが1月5日に前倒しして発売され、瞬く間に百数十万部を超えるベストセラーに。
日本でも話題を呼びました。

Fury

Finally

Finally

90年代にデビューして文字通り一世を風靡した歌手・安室奈美恵が9月に引退。最後の全国ツアーはファンの熱狂に包まれました。
「Finally」はラストツアーの副題です。引退までの1年間を取材したドキュメンタリー番組「Documentary of Namie Amuro “Finally”」の最終回がHuluで配信された9月29日は、多くの人が「finally」の単語を検索していました。

Finally

Cryptocurrency

Cryptocurrency

「cryptocurrency」は仮想通貨(暗号通貨)を意味する単語です。
ビットコインが代表格。1月に仮想通貨のオンライン取引所が仮想通貨「NEM」580億円相当を不正に外部へ流出させたとして大きく報道されました。
仮想通貨が世の中に認知されはじめ、ここから一挙に普及するか?という局面での大事件。
日本だけでなく世界でも衝撃的事件として報じられています。

Cryptocurrency

Piracy

Piracy

piracyは「海賊行為」という意味の単語。
いわゆる海賊版を配信する「著作権侵害行為」という意味でも用いられます。
今年は「漫画村」に代表される複数のウェブサイトがマンガ作品を違法に配信している問題について政府が腰を上げ、「漫画村」を事実上閉鎖に追いやる事態に。
とはいえ類似の海賊行為は後を絶たず、問題解決は簡単ではなさそうです。

Piracy