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まえがき・凡例・付録 :研究社 新英和・和英中辞典

この「凡例」は、研究社 新英和・和英中辞典の凡例 に基づいて作成されています。

まえがき

 本辞典の第 3 版が公刊されたのは 1983 年のことで 10 年以上も昔になってしまった. その間国際社会あるいは日本国内で起こった, 政治・経済から先端科学技術・環境問題等々にいたるまでの社会や文化の諸層における激しい変化はいまさら指摘するまでもあるまい. そしてこれらの変化は必然的に新しい言葉を生み, あるいは従来の言葉にそれまではなかった新しい意味を付与する結果となったから, そのことだけでも時勢に即応した辞典の出現が要請されることは明らかである.

 しかしその要請に応えるためだけなら, 和英新語辞典のようなものを新たに編むだけで, 場合によっては事足りるかもしれない. しかし 80 年代からのこの 10 年は, 英語辞典編集者にとっては, 意識の変革を迫られる歳月でもあった. この間につぎつぎに出版された内外の英語辞典は, 著しく「学習辞典」的傾向を濃厚にしている. 英語を母国語以外の第二言語として学習する人々のために, 特に基礎的な英語の用法を解説したり, あるいは英語特有の表現の裏に潜む, 英語を話す諸国民の文化的背景にまで言及して, 学習者の英語に対する理解を深めようと努めたり, またどのような記載法を採れば, 利用者(ユ-ザ-)にとって辞書が一層使い易いものになるか, といった方法論的な反省の上に立って編まれた辞典が主流となってきた. この点でも『スク-ル和英辞典』以来の伝統の上に立ち, 英語学習者の熱心な学習意欲を自明のこととして編まれてきた本辞典は, 従来の編集方針に対して根本的な見直しを加えることを余儀なくされたのである.

 もっとも本辞典の第 3 版は, 編集主幹的立場にあられた市川繁治郎先生のお考えで, 当時としては類のない, 今でもその価値を些かも減じていない方法を誇っている. 最初の原稿を書き上げたのは市川先生と, 牧教授, 日南田の 3 名だったが, その原稿の段階から英語のネイティブ・スピ-カ-である R. M. V. Collick が細大洩らさずチェックした. 編集者として名を連ねた 4 名の, 4 名だけの, 文字どおり緊密な協同作業で作られたことが, 第 3 版の最大の強味だったのである.

 第 4 版は市川先生が提唱されかつ実行されたこの第 3 版の方法を大筋において踏襲しながら, 新しい時代の要請に応えるべく編まれ, 今ようやく完成を見るにいたったわけだが, この第 4 版の編集の要点を箇条書きにすれば概略以下の如くになる.

 1 見出し語, 小見出しの連語, 慣用語(句)などの総収録数を大幅に増加し約 7 万を数える. そのうち, 主要な見出し語には, 時には小見出し語についても, 語義区分を明確にするため番号を付した.

 2 従来本文と離れて同ペ-ジの下欄にまとめて収められていた文例をすべて本文中に組み入れ, 同時にその数を大幅に増やした.

 3 新語や従来の言葉に付け加えられた新しい語義を拾うことにも意を用いたが, 同時に第 3 版でも意識的に試みられたように, 普通の日本語で従来どの辞書にも採録されていないものを努めて拾い上げることに努力した.

 4 従来句例扱いにされていた連語, 熟語, あるいは慣用語(句)等を小見出し扱いにし, ボールド体活字を用いて利用者の便を図った.

 5 英語の語句の使用域を示す従来の表示のうち, 第 3 版で使用されていた 《文》 を formal の省略形 《fml》 に改めたが, これは利用者の誤解を避けるためである.

 6 従前に増して英語の用法や日英両語の表現の違いの背後にある文化的背景の相違にまで出来る限り触れるように心がけ, 【用法】, 【解説】, ★のついた注記を数多く挿入した.

 こうした大幅な増改訂をしかも限られた時間内で成就し得たのは, ひとえに執筆・校閲を担当された別記の大勢の先生方々のご努力のお蔭で, 心からお礼を申し上げたい. また編集作業の裏方として言葉には尽くせぬ苦心と努力を払ってこられた辞書編集部の長井寛三氏を始め, 紀晃一, 市川しのぶ, また終盤となって編集校正の業務に参加された根本保行の諸氏の労を多としたいと思う.

 終わりに, 今回の改訂にあたり関係者一同全力を尽くしたつもりであるが, なお不備な点があろうかと思う. 利用者各位から忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いである.

1994 年 11 月

編者

R.M.V. Collick

日南田一男

田辺宗一


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