まえがき・凡例・付録 :研究社 新英和・和英中辞典
この「凡例」は、研究社 新英和・和英中辞典の凡例 に基づいて作成されています。第 3 版 まえがき(抜粋)
この改訂第 3 版を作るに際しての私たちの目標は英語の実態に即した辞書を提供することであった. そのためには, 記載する訳語・訳文はすべて英米人が認める現代英語であること, そして日本語の意味をよく伝えるものであることを条件とし, この条件に合わないものは載せないという方針を定めた.
この方針を貫くために, たとえ我が国の学校で教えられてきた英語であっても今日の英語の実態と合わない点があるときは思い切って改めた. それは本辞典の英語の随所に盛られているが, このことを特に明らかにしたい場合は, さらに ★ や 【用法】 のマークを付けて, 注や解説を施した.
日本語に対しても同様の方針を採り各種の国語辞典を参考にはしたが, 国語辞典の定義にとらわれず, 現在実際に使われている日本語の語義・慣用を尊重することとした. また, 日本語の普通の表現で今までの辞書に洩れているものをできるだけ広く収集採録することに努めた.
和英辞典は英語を書くための辞書であるという考えで, これまでの和英辞典は作られてきたといってよいと思う. この考えは本書でも変わりはない. しかし, 今日のように国際交流が盛んになってくると, 口頭によるコミュニケーションにも大いに留意しなければ真に役立つ現代の和英辞典にはならないであろう. また, 今では口頭で使われる英語が書き言葉に盛んに使われるようになってきてもいる. この現実を重視してこの改訂版では日常英語を優先することにした.
この改訂版で新たに目につくのは, 《文》という表示が多用されていることであろう. 日常英語ではあまり使われないやや堅い表現にこの表示を施したが, これは今回の新しい試みであり本書の大きな特徴となっている.
私たちは記載したすべての事項について徹底的な討議をした. これによって従来の和英辞典に見られた不自然な, または古臭い表現はまず完全に排除することができたと思う. 《文》, 《口語》, 《俗》 等の区別に注意しさえすれば, 本書に記載した英語はどれも安心して使っていただけるものである.
1983 年 7 月
編者
市川繁治郎 (早稲田大学教授)
R.M.V. Collick (シェフィールド大学教授)
日南田一男 (武蔵大学教授)
牧 雅夫 (早稲田大学教授)