weblio英単語帳

今年の英単語 2019

enthronement
enthronement
英単語を手がかりに一年を振り返る「今年の英単語」。
Weblio英和辞典・和英辞典の年間アクセスデータをもとに選出する
「Weblio今年の英単語」、令和元年の2019年は「enthronement」に決定いたしました!

「Weblio今年の英単語」とは 2019年にWeblio英和辞典・和英辞典で検索された単語の中から、「年間総合検索数」「急上昇率」「注目度」を指標とし、今年の象徴といえる英単語を選出しました。最後まで候補として残ったノミネート9単語とともに、2019年の出来事を振り返りましょう!

  • 調査対象メディア :「Weblio英和辞典・和英辞典
  • 調査方法:調査対象メディアのアクセスログを解析
  • 調査期間:2019年1月~11月

今年の英単語2019

2019年のWeblio「今年の英単語」は、「enthronement」です。意味は「即位」および「即位式」。天皇陛下の御即位と「即位の礼」の催しに関連するキーワードです。実際、「即位の礼」が催された10月22日前後に検索数の突出(スパイク)が生じています。「今年の英単語」にふさわしい検索実績を伴う、堂々の選出です。

今年4月に、現在の上皇陛下が退位なさり、5月には当時の皇太子殿下が今上天皇へ即位なさいました。これに伴い元号が「平成」から「令和」へ改められました。新元号の発表は4月1日、改元は5月1日に行われました。新元号は海外メディアでも大いに注目され、「令和」の字の意味について紹介する英語のニュース記事なども多く見られました。たとえばイギリスのBBCは「order and harmony」(秩序と調和)と紹介。これは日本でも結構な反響を呼びました。もっとも、「令和」の典拠である「万葉集」の「初春令月~」のくだりは、「令」の字を「よい」「めでたい」という意味で使っています。日本政府(外務省)としても「令和」の説明には「beautiful harmony」(美しい調和)という英語表現を用いる方針との事。いずれにしても、こうした英訳語を通じて「令和」という言葉の良さを実感した・再認識した日本国民は多かったに違いありません。

「enthronement」月別検索数グラフ 1日あたりの最高検索数は10月22日の6,595。年間検索数は31,248。 「enthronement」月別検索数グラフ 1日あたりの最高検索数は10月22日の6,595。年間検索数は31,248。

今年は年間を通じて「即位(enthronement)」をはじめ「皇位(throne)」「元号(era)」といった皇室・王室関連の単語がよく検索されています。どれも日常会話の中ではめったに使う機会のない語彙ということもあり、例年の検索数と比べると格段の差が見て取れます。例えば「enthronement」の検索数は例年の20~30倍ほど、「enthronement ceremony(即位の礼)」のような複合語まで含めると例年の約40~50倍に達しています。

「昭和」から「平成」への改元は、先の天皇陛下(昭和天皇)の崩御に伴うものでした。日本中が喪に服し、浮わついたイベントは自粛されることも多かったといいます。少なからず沈鬱な空気や停滞感も漂ったでしょう。今回の改元にあっては、両陛下ともにご健在なまま譲位が行われたこともあり、何の気兼ねもなく祝賀ムードに振り切ってよい空気がありました。ただでさえ自粛の風潮に傾きがちな現代の日本社会にとっては最良の形だったのではないでしょうか。

巷にあふれるニュースはどうしても、事件・事故・災害・スキャンダルとったネガティブ寄りの話題が注目されがちです。「令和元年」となった今年も、豪雨や台風による記録的被害、火災による文化財の消失、芸能界の違法薬物・闇営業といった、わりと後ろ向きな話題で溢れました。とはいえ、探査機「はやぶさ2」の小惑星への着陸成功や、ラグビーW杯での日本代表の活躍をはじめ、前向きな話題が沢山あったことも確かです。

令和二年となる来年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。令和元年に続き、令和二年も、記念すべき明るい出来事が印象に残る年になるはずです。そして令和の日本が明るい世の中になることを願ってやみません。

今年の英単語2019にノミネートされた9語

sexy(セクシーな)

sexy

気候行動サミットにおける小泉進次郎環境大臣の「環境問題はクールに、ハッピーに、セクシー(sexy)に解決策を模索するべき」という趣旨の発言から。英語の sexy には「興味を起こさせる」「おもしろい」「魅力的な」「人を引き付ける」のような意味合いもあります。小泉環境相も、その辺の意味合いを念頭においていたことでしょう。そもそも「sexy」は他の出席者の発言を借り受けて使ったキーワードでした。しかし日本では「セクシー発言」として切り取られ「政治の場にふさわしい言葉ではないのでは」「具体性がない」との批判を呼ぶことになりました。

sexy

How dare you(よくもそんなことを!)

How dare you

dare は「あえて行う」「してのける」という意味合いで使われる動詞です。How dare you ! は相手の言動などを非難して「よくもまあそんなことが!」と吐き捨てる意味の決まり文句。これは今年9月に国際会議「気候行動サミット」で登壇した16歳の高校生環境活動家グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)の発言として一躍注目を集めました。あどけない少女が、鬼気迫る形相で、腰の重い各国代表のお偉方を叱責する!その姿は、環境問題への意識や危機感を改めさせるには充分すぎるインパクトがありました。

How dare you

no side(ノーサイド)

no side

no side (ノーサイド)は、ラグビーの試合終了の合図として使われる言葉です。また、「試合が終われば敵味方の区別はない」という精神を象徴する言葉として親しまれています。2019年9月には日本を開催地としてラグビーワールドカップが開始され、日本中のラグビーファン(にわかファン含む)を熱狂させました。同時期にはTVドラマ「ノーサイド・ゲーム」も放送されています。余談ですが、試合終了の合図としての「no side」は古い言い方で、今や世界的には「full time」(全時間終了)という言い方が使われており、「no side」を使っているのはもはや日本ラグビー界だけだとか。ちなみに「no side」はもともと「試合が終了したので両サイドともボールを持たないように」という意味から来ているそうです。

no side

fire(火事)

fire

今年4月にはフランスにある世界遺産・ノートルダム大聖堂で火災がありました。9月には南米ブラジルのアマゾン熱帯雨林で未曾有の森林火災が発生。これはひとまず沈静化したものの、南米各地では火災が相次いでいます。11月には沖縄で首里城の正殿、北殿、南殿が全焼(消失)。後世に伝え残すべき遺産が災禍に見舞われた印象の強い年でした。「fire」というと「火」の意味が真っ先に思い浮かびますが、英語で「火事」を指す語としても一般的に使われます。ちなみに「大火事」は big [large] fire と表現できます。大火(大火災)と意味する格式張った表現としては conflagration なんて単語もあります。

fire

bachelor(独身男性)

bachelor

bachelor(バチェラー)は、「独身の男性」あるいは「(大学の)学士」といった意味で使われる単語です。語源はフランス語(もっと遡ればラテン語)で、中世の英語では bachelor は「若い騎士/駆け出しの騎士」の意味で使われていたそうです。しかし現代における「バチェラー」といえば、アメリカ発祥で、日本でも人気を博している、かの「リアル恋愛サバイバルドキュメンタリー番組」のタイトルでしょう。今年9月には「バチェラー・ジャパン シーズン3」の配信が開始され、大いに注目を集めました。主人公であるバチェラー・友永さんの一種独特な言い回しや、最終話の大どんでん返しも、SNSなどで大いに盛り上がる要因となりました。

bachelor

pay(支払う)

pay

pay は主に「金を支払う」という意味を基本とする他動詞です。「pay for ~」で「~の代金を支払う」という意味になります。名詞形は payment。pay にも名詞の用法がありますが、これは「給料」の意味で用いられます。最近ではスマホでキャッシュレス決済できる「QRコード決済」の意味として認識する人も多いのでは? 今年はQRコード決済サービスが一気に身近になった年でした。ここ数年でいくつもの決済サービスが開始され、覇権争いを繰り広げています。その多くが「PayPay」「LINE Pay」「FamiPay」「ゆうちょPay」などのような、「~ pay」的な名称です。

pay

fellow(仲間)

fellow

fellow は「男」「同僚」「仲間」といった幅広い訳語をもつ英単語です。「研究員」や「特別会員」といった役職の名称としても用いられることが多々あります。2019年秋、ノーベル化学賞の受賞者に吉野彰氏が選ばれ、日本国内でも大々的に報じられました。氏の役職が「旭化成名誉フェロー」だったことにより、フェローって何?という話題も飛び交いました。研究職における「フェロー」は、研究者の役職名、もしくは称号です。職位はまちまちです。ちなみに、吉野氏の受賞理由は、リチウムイオン2次電池の発明。スマホも電気自動車もこれが必要不可欠という、現代社会には欠かせない技術であり、誰もが納得する大功績です。

fellow

evacuate(避難する)

evacuate

evacuate は、台風19号が日本に上陸し多くの被害をもたらした前後の時期に、特に多く検索された単語です。基本的には「空にする」という意味合いがあり、文脈に応じて「避難させる」「排水する」などと訳されます。evacuate の他にも、台風19号が注目されていた時期には、洪水(flood)、氾濫(overflow)、避難(evacuation)、避難勧告(evacuation advisory)、浸水(inundation)、被害(damage)、堤防(bank)、停電(blackout)といった言葉もよく検索されています。今年も大雨や台風などの自然災害が相次ぎました。早期避難の重要性が見直され、「命を守る行動を」という標語も話題になりました。

evacuate

tailgating(あおり運転)

tailgating

tailgating は、いわゆる「あおり運転」のことです。正確には「他の車の後方にぴったりへばり付く運転」行為のこと。なお、他車の割り込みや追い越しなどの些細な行為に激昂して暴力沙汰などに発展することを、英語では「road rage」といいます。tailgating と road rage の両方を合わせれば、日本語的「あおり運転」とぴったり一致しそうです。日本では近年、悪質なあおり運転が社会問題となっています。死亡事故に至ったケースもあります。あおり運転は事故との関連が立証困難なため「あおられ損」になりがちでしたが、ここに来てようやく、免停もあり得る程度の厳罰化が検討され始めています。

tailgating
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