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rationalizabilityとは 意味・読み方・使い方

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意味・対訳 ゲーム理論において合理化可能性 (ごうりかかのうせい、英: rationalisability、独: Rationalisierbarkeit) とは、ナッシュ均衡の一般化である解概念のひとつ.合理化可能性は、決して最適反応にならないような戦略の逐次消去にもとづいている.この消去の過程を生き残った戦略を

Weblio英和対訳辞書での「rationalizability」の意味

Rationalizability

合理化可能性
ゲーム理論において合理化可能性 (ごうりかかのうせい: rationalisability, : Rationalisierbarkeit) とは,ナッシュ均衡一般化である概念のひとつ合理化可能性は,決して最適反応ならないような戦略逐次消去にもとづいている.この消去過程生き残った戦略を,合理化可能であるというプレーヤー行動に関する根本的な仮定に,ゲーム構造についての知識と,合理性についての共有知識がある合理化可能性概念は,はじめ Bernheim (1984) と Pearce (1984) によって独立に導入され,その後 Aumann (1987) と Brandenburger and Dekel (1987) で用いられた. Bernheim (1984) と Pearce (1984) は,合理性についての仮定だけから,プレーヤーたちの行動に関する個人予想に,どのような制約課されるということ問題にした.彼らはゲーム構造と,プレーヤー全員合理的であるという事実とが共有知識であるとしてどんな戦略合理化可能か検討したプレーヤー行動課される制約は,それぞれの行動がこの共有知識整合的であるということである.合理化可能戦略に関する中心的な結果は次のもの: 以下の用語は,合理化可能性定義密接に関係するものである合理性に関する共有知識 (common knowledge of rationality, gemeinsame Wissen der Rationalität) として言われるのは以下のことであるしたがってもまた合理的でなければならない合理性共有知識になっているか否かで,プレーヤー戦略選択異なりうることに注意せよ. 次のは Bernheim (1984) の論文からとったものである合理化可能性は,決して最適反応ならない戦略逐次消去していく再帰によって定義されるプレー合理的であるとすると,この再帰段階は,戦略集合であってそのなか少なくとも 1 つの他戦略対して最適反応になっているようなもの終わるだろう正規形ゲーム所与とする数学的には,合理化可能性次のように再帰的に定義されるとする i と n ≥ 1 に対して, と定めるプレーヤー i の合理化可能戦略とは, のことである. 言葉で言うと, は, (n - 1) 段階で生き残ったすべての相手プレーヤー戦略集合であり, は, の特定の戦略に対する最適反応をなすような生き残った戦略集合である決して最適反応ならない戦略逐次消去生き残った戦略を,プレーヤー合理化可能戦略という合理化可能性定義では, の凸包用いられていることに注意せよ.この理由はプレーヤー j がどんな戦略プレーするか,プレーヤー i には不確かであるということである. であるにもかかわらずその混合 が にまれず排除されるということあってはならない. Bernheim (1984) と Pearce (1984) は,プレーヤー i について合理化可能戦略集合 Riであり少なくとも 1 つ純粋戦略を含むことを示した右のような純粋戦略のゲーム考える. U と R が相互に最適反応になっているので,再帰段階ここで終わる繰りかえし支配 (iterierte Eliminierung von streng dominierten Strategien: IESDS; 強く支配される戦略逐次的消去) の出発点は,合理的なプレーヤーならば決して支配される戦略プレーしないということである.一方で合理化可能性出発点は,合理的なプレーヤープレーしうる戦略とはどのようなものだろうかという問いである強く支配される戦略合理化可能ではないすなわち相手プレーヤーどんな戦略とってくる考えたとしてもそれは最適反応には決してなれない: に対して, が に強く支配されているとすると,任意の対して, は よりも厳密によい反応になる.まとめると繰りかえし支配のプロセス生き残ることは,戦略合理化可能性必要条件である. Bernheim (1984) と Pearce (1984) は,2 人プレーヤーのゲームでは,繰りかえし支配の結果生き残る戦略すべて合理化可能戦略であること示したこれは戦略合理化可能性十分条件である. Bernheim (1984) による考えよう.十分条件次のように確かめられる:合理化可能戦略 a1, a2, a3, b1, b2, b3 は,支配されないので,繰りかえし支配生き残る戦略 は,混合戦略強く支配されているb4消去されたあとでは,a4a2強く支配される必要条件確かめられる:繰りかえし支配生き残る戦略a1, a2, a3, b1, b2, b3 でありこれらは実際に合理化可能戦略であるこの例では2 人ゲームにおいて繰りかえし支配合理化可能性とが同値であること確認できるすでに見たように2 人ゲームにおいては繰りかえし支配合理化可能性とには同値性があるところが多人数ゲームでは,「強く支配されているということと「決して最適反応ならないということとの同値性かならずしもあてはまらないすなわち多人数ゲームでは,繰りかえし支配合理化可能性とはかならずしも同値ではない相手プレーヤー行動に関する予想 (信念) の基礎にあるのは次のことである:もしプレーヤーが,他のプレーヤー独立に行動てくる (独立混合) ものと予想するならば同値性成りたないここで,「独立混合ということは予想の定義すでに仮定されていること注意せよ. 戦略相関についての予想可能であるようなゲームにおいてのみ,この同値性成りたつ.この場合予想の定義次のように修正されねばならないS-i 上の可能な確率分布全体を とし,. 次のは,MIT での Asu Ozdalar によるゲーム理論講義ノートのものである相関戦略許されない 3 ゲームでは繰りかえし支配同等でないことが示されるこの例ではすべてのプレーヤー利得等しいとするプレーヤー 1 は A か B, プレーヤー 2 は C か D, プレーヤー 3 は Mi (i = 1, 2, 3, 4) から選ぶプレーヤー 1 と 2 の戦略対してM2決して最適反応になりえないことが,次のようにしてわかるプレーヤー 1 が A を選ぶ確率を p, プレーヤー 2 が C を選ぶ確率を q とおく.p, q は独立と仮定するM2プレーしたときプレーヤー 3 の利得 u3 は,u3 (M2, p, q) = 4pq + 4 (1 - p)(1 - q) = 8pq + 4 - 4p - 4q. ある p, q に対して M2最適反応であるとすると,次の 3 つ不等式がみたされねばならない最初の 2 つの不等式から,p + q ≤ 1, p + q ≥ 1 となるしたがって,p + q = 1 である3 番めの不等式で p + q = 1 とすると,pq ≥ 3/8 を得る.q を p で消去すると,p2 - p + 3/8 ≤ 0. 変形すると (p - 1/2)2 + (8/3 - 1/4) ≤ 0 となり,この不等式どのように p を選んでもみたされないから,M2決して最適反応ならない一方でM2支配される戦略でないことも明らかであるナッシュ均衡合理化可能均衡である.この均衡では最適戦略だけがプレーされている合理化可能でない戦略最適戦略にはならない合理化可能な戦略プロファイルかならずしもナッシュ均衡ではないナッシュ均衡では,プレーヤー信念事後的に実際にみたされているという意味整合性条件要求する言いかえるとナッシュ均衡では,プレーヤー i の戦略 si はそのプレーヤープレーヤー j に関する信念所与として最適であり,またプレーヤー j にとってもプレーヤー i は戦略 si選ぶであろうと正しく予想しているならばプレーヤー i のもつ信念あるとおり行動することが実際に最適になっているしたがってナッシュ均衡整合的信念組みあわせにもとづいている.合理化可能戦略ではあるがナッシュ均衡ではないようなゲーム帰結では,少なくとも 1 人プレーヤー誤った信念もっている合理化可能性だけではナッシュ均衡十分条件ならないなぜならば合理化可能性どんなプレーヤー確率的予想をも共有知識として要求せず,したがって信念整合性もみたされないからである右の男女争いゲーム考えよう. このゲームには 2 つの純粋戦略ナッシュ均衡がある.F は F に対し,B は B に対し最適反応なので戦略 F と B は合理化可能である合理化可能性による予測では,ゲームは (F, B) で終了し,プレーヤー利得は 0 になるというものを許してしまう.(F, B) は,プレーヤー 1 がプレーヤー 2 は F をプレーする考えプレーヤー 2 がプレーヤー 1 は F をプレーすると考えるために起こりうるどちらの予想も,相手プレーヤーについての合理的な予想通して正当化されうるので,意味をなす.そしてプレーヤー互いに行き違いなってしまうこのことは,プレーヤー確率的予想共有知識でないためである. Brandenburger and Dekel (1987) は,2 人ゲームでは任意の合理化可能戦略プロファイル主観的相関均衡に等しいことを証明した主観的相関均衡 (subjektives korreliertes Gleichgewicht) とは,プレーヤー事前確率的予想一致している必要がないような相関均衡 (korreliertes Gleichgewicht) である多人数ゲームについても同値性成りたつ.プレーヤーたちが,他のプレーヤーたちはすべて独立に戦略ねばならないと考えるか,他のプレーヤーたちの戦略互いに相関していてもよいと考えるかは,重要な違いである. Aumann (1987) は,プレーヤーたちが異なる事前確率的予想をもつことを許しゲーム理論分析によって概念的不整合示した.このため彼はそこから出発して,プレーヤーたちが自然の手番に関してだけでなくプレーヤー行動についても共通事前分布をもつとする仮定擁護した.この強い共通事前分布仮定を採用すると,ナッシュ均衡相関戦略になるような合理化可能戦略だけが残る (相関均衡参照のこと). もっともらしい峻別するための手法としての合理化可能性は,それによってはしばしばわずかの戦略しか排除できないので,限定的である合理化可能性が与えるのは非常に弱い予測であって,合理化可能な帰結どうしではほとんど区別できない男女争いゲームでは,合理化可能戦略選ぶ結果としてすべての戦略組みあわせ認められてしまうナッシュ均衡となるのはそのうち 2 つだけである.信念合理性に関する要求は,ここでは戦略選択対してなんの制約としても働いていない
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Wiktionary英語版での「rationalizability」の意味

rationalizability

語源

rationalize +‎ -ability

名詞

rationalizability (uncountable)

  1. The condition of being rationalizable.

「rationalizability」の意味に関連した用語
1
合理化可能性 英和対訳


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